ドリアン

ドリアン―果物の王
塚谷裕一 中公新書
ドリアンの香りは、甘い良い香りと、ガス臭いような匂いとの混合でできている。人によって、どちらの匂いにより反応するかが違うらしい。甘い香りに反応する人にとってドリアンは至福の食べ物だが、ガス臭に反応する人にとっては耐え難い食べ物になる。著者を始めとする前者の人達にとって、重大ニュースだ。タイ農業研究当局の研究者がドリアンの無臭化に取り組んでいるそうだ。品種開発が進んでおり、来年の商業生産を目指し、現在は農家に配布するための苗木を育てている最中だという。この品種が出回れば、ドリアンのもつ強烈なイメージが無くなってしまいそう。ドリアンが果物の王とまで言われるのは、強烈な香りが一役かっているだろうに。と、いっても私はドリアンに特に執着はなく、どちらでもいいのだけど、ドリアンにはまっている著者が気の毒になってしまった。