2006-01-01から1年間の記事一覧

悩み解決

しばらく書いてなかったけど日記を復活しよう。 先日、研究室で忘年会をやり、そのとき研究でずっと悩んでいたことをふっきることができた。それは共同研究者の言葉のおかげ。 私の研究の調査地はチベット高原だ。不便さや不合理さを嘆くより、そこを調査地…

歯が痛くて夜ほとんど寝られなかった。 痛いのは2年前大きな虫歯を治療した歯だ。神経を抜いたほうがいいと言われたが、当時は冷たいものもしみなかったし自覚症状が無かったので、神経はどうにかして残してほしいとお願いしたのだ。自覚症状もないのに過剰…

自然史

今日は心に留まった本の一文を。 「自然史は一部の物好きや収集家のためのものだとみなされることもありますが、大きな誤りです。自然史は自然界の多様性を理解する学問です。自然破壊が進んでいる今こそ自然史学の重要性が認められなければなりません。」 …

実験

今新しい場所でDNA実験ができるよう準備を整えている。 でも新しい場所でやり始めると、今までやってきた簡単な実験に失敗することがよくある。試薬や道具や機械が皆新しいものだから、どこに問題があったのかつきとめるのが面倒。でもおかげで今まで漫然と…

スイートリトルライズ 江國 香織最近読む本はノンフィックションばかりだったので小説を手にしたのは久しぶり。 不倫を題材にしており、妻(or夫)に嘘をつみあげていく。 主人公のセリフが心に残った。 「人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとす…

北岳

14日の夜ムーンライト信州に乗って、北岳に行ってきた。 15日の深夜2時過ぎ、甲府に到着。駅の構内には朝4時始発のバスを待つ登山客がズラリと並んで寝ていた。その横に私もマットを敷いて仮眠をする。朝4時初のバスは臨時が4台も出るほどの混みよう。 北岳…

自由

私のボスが出張中に話してくれた言葉。この言葉を聞いて私はつくづくこの人の下で研究ができて幸せだと感した。早く成果を出して恩返ししたいよー。 「人間は、生まれ育った境遇や身体(健康)、経済状態など、様々なことに制限されている。でも唯一考えるこ…

中国語

7月から中国語を習い始めた。漢字が似ているから言葉の意味は理解しやすいけれど、発音が難しい。日本語ってどうしてこんなに母音が少ないのかな。おかげで中国語の母音の違いが聞き取れない、発音できない。努力すべく中国語の音声付電子辞書を買ったけど、…

高山帯の水分

今、研究室でAlpine plant life - Functional Plant Ecology of High Mountain Ecosystems (Christian Körner, Springer, Heidelberg, ISBN 3-540-00347-9)を輪読している。その9章に高山帯の水分環境に関する章があるのだけど、著者は高山植物は、極端な環…

嬉しい出来事

やったーーー、研究資金獲得!指導して下さった方にひたすら感謝。そして資金を出してくれた理事長に感謝。いい研究するぞー。そして早く皆さんに恩返ししなくっちゃ。 しばらく資金獲得のための申請書作りからも逃れられるので、研究に専念しようっと。さて…

素数ゼミの謎

素数ゼミの謎 吉村 仁、文芸春秋 (2005/7/12) この本はAmerican Naturalistという学術誌に発表した論文を基にしている。理論生態を扱う(数字に弱い私にとっては)とっつきにくい雑誌だ。それを子供向けの本に平易にかつ面白みを失わずに仕上げていることに…

黄色い粉

ユキワリソウ(サクラソウ科サクラソウ属)は葉の裏には黄色い粉がたくさんついている。その成分はフラボノイドらしく、紫外線からの保護に役立っているらしい。 でも、葉の裏なのに保護する役目を果たすのだろうかとずっと不思議だった。湿った岩場などが主…

雪解け

私が大学院時代フィールドにした浅間山に久しぶりに行った。今年は雪解けが遅いそうで、まだまだ冬真っ只中といった風情。浅間山に来るようになってから6年目だけど、この時期にこれだけ雪が残っていたのは初めてだ。植物の春の活動開始は雪解け時期がにぎ…

どん底でのひらめき

中村修二氏とワイルズ氏が世界を驚かせた研究成果をあげたときの状態で似たようなことを言っている。 「結果が見えないまま、自分がどんどん奈落へ落ち込んでいく。追い詰められどんどん集中していく。気持ちは落ち込んでいるけれど、精神的には無我の境地だ…

自分の糧

中村修二氏が日亜化学と特許をめぐって争った裁判について記事をホームページで検索していたら、氏にずいぶん批判的なライターがいた。 「青色発光ダイオード開発は日亜化学の若い研究者たちの共同研究の成果」であって、「会社の反対を押し切って自分一人で…

ナカムラマジック

考える力やりぬく力私の方法 著:中村修二 出版:三笠書房"成功はデータではなく、執念でもぎ取るのだ" "他人の論文や参考文献は一切読まず、徹底的に人まねを排除して、自分だけの方法・自分流を貫きとおす" この人の執念はすさまじいものがある。 よく研究…

研究の動機

今日、人と話していて心に残った話題。 研究の動機が「正しいこと」ではなく「面白そうなこと」だと、大変なことが大変ではないし、研究の価値を分かってくれない人に対して腹も立たない。 「正しいこと」というのは、人によって基準が違ったりもする。「正…

花火の花

矢祭町檜山に行った。 お土産屋のおばちゃんに「どんな花が見られますか」と尋ねたら「ピンク色の花火みたいな草」という答え。 花火?なんだろう・・? 歩いていくと"あ、これだ"という花に行き当たった。 ショウジョウバカマ。 花火とはうまくいったものだ…

ベターハーフ

ベター・ハーフ 著:唯川 恵,出版社:集英社,ISBN:4087744523 (2000/01) 3年前に読んでノートに記した感想 「歯車のあわない夫婦の曇天のような低い思い雰囲気の小説。 それでも夫婦を続けていくうちに落ち着きを得ていく。 ベストハーフではなくベターハ…

研究の価値

今日は研究資金獲得のため、上の人と面談した。 相手の専門分野は私とは全く異なる。 専門分野以外の人に自分の研究の価値を理解してもらうことはとても大切だ。 同じ研究者でも分野が違えば分かってもらえないことのほうが多い。 自分の話術と知識と精神力…

フェルマーの最終定理

フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで サイモン シン (著), 青木 薫 (翻訳) 出版社: 新潮社,ISBN: 4105393014,(2000/01)どんな研究分野でも様々なドラマがある。350年も証明されなかったフェルマーの最終定理。数学の奥深さ…

荻原健司

荻原健司―栄光と苦悩 著:荻原 次晴,出版社:文春ネスコ,ISBN:4890361618,(2002/07) ノルディックスキーの第一人者である荻原健司の生き様を、一卵性双生児の弟である次晴がつづった本である。私も一卵性双生児だが、私は次晴の心を考えると胸が痛い。一…

異脳流出

「異脳」流出―独創性を殺す日本というシステム 著: 岸 宣仁, 出版社: ダイヤモンド社, ISBN: 4478890153, (2002/01) 日本の研究界のしがらみを浮きぼりにした本だと思う。世界をリードする日本人研究者が研究の場として日本ではなく外国を選ぶという現状。自…