フェルマーの最終定理

フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
サイモン シン (著), 青木 薫 (翻訳)
出版社: 新潮社,ISBN: 4105393014,(2000/01)

どんな研究分野でも様々なドラマがある。350年も証明されなかったフェルマーの最終定理。数学の奥深さと研究者の執念を知った。
「大事なのは、どれだけ考え抜けるかです。袋小路に入り込んでしまったり、未解決の問題にぶつかったりしたときは定石になったような考え方は何の役にも立たないのです。新しいアイデアにたどりつくためには、長時間とてつもない集中力で問題に向かわなければならない。その問題以外のことを考えてはいけない。ただそれだけを考えるのです。それから集中を解く。すると、ふっとリラックスした瞬間が訪れます。そのとき潜在意識が働いて新しい洞察が得られるのです。」(定理を証明したワイルズの言葉より)
フェルマーは350年も前に定理を見つけた。彼が実際に定理の証明を行っていたかどうかは今となっては分からない。しかし、ワイルズはその証明をするのにフェルマーの死後に発表された定理を利用している。なんだか不思議な感慨にとらわれる。人の頭は大きな可能性を秘めている。