読書

 山岳写真

田淵行男 新編 山の季節 (小学館文庫)最近買った山岳写真家の田淵行男氏の写文集を眺めていて、急きょ思い立って登山した。目指したのは蓮華岳と針ノ木岳。 数日前に猛威をふるった台風も去り、爽やかな1日。 田淵氏は台風などの悪天候の山にも魅力を感じて…

サッカー選手著書

長谷部 誠 心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣長友 佑都 日本男児澤 穂希 ほまれサッカー界で世界のトップとして戦っている3人の選手の著書を読んだ。共通して書かれているのは、苦難は自分を成長させるチャンスだということ。そして親のサポー…

何かのために sengoku38の告白 一色正春 (著) 朝日新聞出版 (2011/2/18)尖閣諸島の中国漁船との衝突事件のビデオをYoutubeで流した一色氏の告白本。 その行為は機密漏洩の罪には当たらないと判断して実行したことが論理的に述べられている。そして何より氏が…

「ひとりぼっちの海外調査」 水野一晴 文芸社もう絶版になった本だが、著者の集中講義を受ける機会があり幸運にも手に入れることが出来た。 著者は海外で得た驚きや喜びや辛さを率直に綴っており、また直接ご本人を知ったこともあり、親近感持って読むことが…

畏れ慄いて アメリー ノートン (著), 藤田 真利子 (翻訳) 外国人が日本をどうとらえているか知りたくて読んでみた本。 1967年に神戸で生まれたベルギー人女性、アメリー・ノ−トンの自伝的小説。彼女が22歳で入社した商事会社で受けた迫害がもとになっている…

仕事は5年でやめなさい 松田公太 サンマーク出版この題名は自分にとってかなりタイムリーだった。というのもちまたでは、ポスドク(非常勤職員)は5年で雇い止め(つまり5年以降更新はしない)という制度が急速に広がっているからだ。1月23日に京都大学の例…

偶然のチカラ 植島 啓司 (著) 、集英社新書自分がたまたま選択した判断が良かったのか悪かったのかは確かめようがない。他の選択肢を取った場合どうなったかなんて知りようが無いのだから。偶然の出来事だと思っても、「自分の身に起こったことはすべて必然…

人体常在菌のはなし―美人は菌でつくられる 青木 皐 (著) 、集英社新書お正月に実家で、妹が「もやしもん」という漫画を読みふけっていた。菌を見る能力をもつ主人公が「某農業大学」でくりなす学園ドラマである。一般人には見えないので気にとめないことが多…

神々の山嶺夢枕 獏山好きの友達から是非と薦められた。ひたすら山に人生をかける男の物語だ。久々に心をゆり動かされる小説だった。この本を読むと、自分のやりたいことに理由なんていらないだなと思える。やりたくてやっているんだけど、時々なんで自分はこ…

食事

生活習慣病に克つ新常識―まずは朝食を抜く! 小山内博日本の胃癌発生率は昔に比べ減ってきているというものの、外国に比べて非常に高い。著者はその原因を、食後すぐに働き始める日本人の習性によると考えている。 「すぐ体を動かすことで血液が筋肉の方に分…

チーズはどこへ消えた? スペンサー ジョンソン 1999年度全米ビジネス書ベストセラー第1位、この物語があなたのビジネスを変える!と、この本の帯に書かれている。 童話風の短い物語で30分ほどで読めるが、長かったらきっと読むのをやめていたと思う。書いて…

最近小説orミステリーをよく読むが、どうも読み始めたら止められないので困る。半落ち 横山秀夫 昔ベストセラーとなったミステリーで映画化もされている。最後の結末は胸が締め付けられた。直木賞候補にもなったが「受刑者が骨髄移植のドナーになれないとい…

共死

相剋の森 熊谷達也「最近自然との共生という言葉をよく耳にしますが、共に生きるという耳あたりがよい部分に胡散臭さとまやかしを感じます。生物は、他の生物を殺すことで生きながらえている。互いに殺しあうのが生物の本質なのです。死を見つめるという部分…

ガリレオ

筑波大新聞を読んでいたら、学生に1番売れている本が「探偵ガリレオ」だったので買って読んでみる。今テレビドラマでも放映されている推理小説だ。視聴率No1となっているだけあって面白かった。科学的トリックを使った怪奇現象を物理学者が解き明かしていく…

雷鳥

雷鳥が語りかけるもの 中村 浩志 出版社: 山と溪谷社 (2006/08)高山帯に住む雷鳥は、人を恐れないことから近くで観察できる鳥として登山者に人気がある。しかし、人を恐れないのは日本だけのようだ。著者が外国の雷鳥を調査しに行ったときは、雷鳥がすぐ逃げ…

ドリアン

ドリアン―果物の王 塚谷裕一 中公新書 ドリアンの香りは、甘い良い香りと、ガス臭いような匂いとの混合でできている。人によって、どちらの匂いにより反応するかが違うらしい。甘い香りに反応する人にとってドリアンは至福の食べ物だが、ガス臭に反応する人…

脳は直感している 佐々木 正悟 (著) 人は行動するとき、周囲の人の目を気にしたり、合理的にふるまおうとしたりするけれど、余計なことは考えず直感に従うのもいいかもしれない、と思わせてくれる本。興味深かったのは、"「女の勘」とよくいうが、女性は男性…

これからホームページをつくる研究者のために 岡本 真(著) 私はホームページを今年初めて作ったが、これから更新していく上で、この本で心にとまった1節を忘れないようにしよう。 「楽しさを語ろう:自分が取り組んでいる研究から得られる喜びや、将来に潜…

若者はなぜ3年で辞めるのか? 城 繁幸 (著) 近年は少し改善されてきたけれど、若者の間では厳しい就職競争が続いている。企業は「なんでもやります」的な人間より、具体的にどんな仕事をし、その仕事を通じて実現したい目標を明らかにし、希望職種にマッチし…

核内倍化

変わる植物学広がる植物学 著:塚谷裕一 この本で植物の核内倍化という現象を初めて知った。細胞が細胞周期のときに細胞分裂も核分裂もしないまま核だけが高次倍数化する現象だ。それにより2倍体の植物でも、細胞によって核相がばらつく。シロイヌナズナでは…

「神様、私をもっと生きさせて!」 17歳で癌が発病し、21歳で無くなった少女の手記。その間の様々な感情が赤裸々に綴られている。やりたいことをできない無念さ、五体満足で生きていることを当たり前だと思っている人達への怒り、後に残す母親への気遣い・・…

スイートリトルライズ 江國 香織最近読む本はノンフィックションばかりだったので小説を手にしたのは久しぶり。 不倫を題材にしており、妻(or夫)に嘘をつみあげていく。 主人公のセリフが心に残った。 「人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとす…

素数ゼミの謎

素数ゼミの謎 吉村 仁、文芸春秋 (2005/7/12) この本はAmerican Naturalistという学術誌に発表した論文を基にしている。理論生態を扱う(数字に弱い私にとっては)とっつきにくい雑誌だ。それを子供向けの本に平易にかつ面白みを失わずに仕上げていることに…

ナカムラマジック

考える力やりぬく力私の方法 著:中村修二 出版:三笠書房"成功はデータではなく、執念でもぎ取るのだ" "他人の論文や参考文献は一切読まず、徹底的に人まねを排除して、自分だけの方法・自分流を貫きとおす" この人の執念はすさまじいものがある。 よく研究…

ベターハーフ

ベター・ハーフ 著:唯川 恵,出版社:集英社,ISBN:4087744523 (2000/01) 3年前に読んでノートに記した感想 「歯車のあわない夫婦の曇天のような低い思い雰囲気の小説。 それでも夫婦を続けていくうちに落ち着きを得ていく。 ベストハーフではなくベターハ…

フェルマーの最終定理

フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで サイモン シン (著), 青木 薫 (翻訳) 出版社: 新潮社,ISBN: 4105393014,(2000/01)どんな研究分野でも様々なドラマがある。350年も証明されなかったフェルマーの最終定理。数学の奥深さ…

荻原健司

荻原健司―栄光と苦悩 著:荻原 次晴,出版社:文春ネスコ,ISBN:4890361618,(2002/07) ノルディックスキーの第一人者である荻原健司の生き様を、一卵性双生児の弟である次晴がつづった本である。私も一卵性双生児だが、私は次晴の心を考えると胸が痛い。一…

異脳流出

「異脳」流出―独創性を殺す日本というシステム 著: 岸 宣仁, 出版社: ダイヤモンド社, ISBN: 4478890153, (2002/01) 日本の研究界のしがらみを浮きぼりにした本だと思う。世界をリードする日本人研究者が研究の場として日本ではなく外国を選ぶという現状。自…