チーズはどこへ消えた? スペンサー ジョンソン
1999年度全米ビジネス書ベストセラー第1位、この物語があなたのビジネスを変える!

と、この本の帯に書かれている。
童話風の短い物語で30分ほどで読めるが、長かったらきっと読むのをやめていたと思う。書いてあることはもっともで、ためになるかもしれないけど、面白さや新鮮さや興奮が無かった。
翻訳の過程で原書の良さが減ってしまったのか。それとも日本人とアメリカ人の考え方・感じ方の違いだろうか。
ネットで本の評判を検索すると面白くないと思った人は結構いることが分かった。それらの意見を読んでいて、この本は最初に種明かしがされているのが良くないのでは、と思った。
本の前置きには内容を紹介する文が書いてある。
迷路の中に2匹のネズミと2人の小人が暮らしている。彼らはチーズを生活の糧としている。チーズは、ただの食べ物ではなく、人生において私たちが追い求めるもののシンボルである。ところがある日、そのチーズが消えた。ネズミたちは、本能のままにすぐさま新しいチーズを探しに迷路に飛び出していく。ところが小人たちは、チーズが戻って来るかも知れないと無駄な期待をかけ、迷路に出ることを恐れている。物語の要点は「我々はいつもチーズの変化に敏感でなければならず、チーズがなくなったときに新しいチーズを求めてすぐさま行動を起こせる姿勢でなければならない」ということだ。
この前置きを読み、期待をふくらませ読むのだが、前置きで紹介されている内容以上のものが得られない。本の中身には前置き以上のものを求めるからがっかりしてしまうのだろう。最初の前置きが無かったら、本の読後感は変わったかもしれない