素数ゼミの謎

素数ゼミの謎
吉村 仁、文芸春秋 (2005/7/12)

この本はAmerican Naturalistという学術誌に発表した論文を基にしている。理論生態を扱う(数字に弱い私にとっては)とっつきにくい雑誌だ。それを子供向けの本に平易にかつ面白みを失わずに仕上げていることに感嘆の念を覚えた。
誰がこの難解な雑誌に載っている研究を大人から子供まで対象にした本にしようと考えたのだろう。著者はこの本が一般向けに書いた初めての本だそうだ。だから著者がアピールして本を書き始めたとは思えないけど。企画者だか編集者だか出版社の人間がこの論文に目をつけたとしたら、素晴らしい眼力だと思う。