何かのために sengoku38の告白
一色正春 (著) 朝日新聞出版 (2011/2/18)

尖閣諸島の中国漁船との衝突事件のビデオをYoutubeで流した一色氏の告白本。
その行為は機密漏洩の罪には当たらないと判断して実行したことが論理的に述べられている。そして何より氏が深い思慮の上でビデオを流したことが伝わってくる。中国の犯罪行為を大目にみて、自国を矮小化し自国の権威を失うような政府の対応に黙っていられなかったのだ。そんな上部の判断を国民が受け入れざるを得ない状況でいいのか、国民が一人一人何をすべきか、問題はどこにあるのか考えてほしいとの思いがこめられている。

最近日本は留学生の倍増計画を掲げ、大学の国際化が急速に進んでいる。国際化が進むのは良いことだと思うが、同時に日本は自国の文化やルールを大切にしていかないといけないだろうなと強く感じた。