ジャーナルクラブ

こちらの領域では毎週金曜にジャーナルの輪読会がある。前回の紹介論文は
The evolution of superstitious and superstition-like behaviour, Proc. R. Soc. B, 276: 31-37, 2009
人の世界には迷信に基づいた行動があるが、そんな行動が進化しうるのかモデルで検討した論文。担当者は行動生態学をやっているわけではない。ユーモアある選択だと思う。

輪読会といっても、担当者は論文の概要をさっと紹介するだけで(もちろんレジュメはない)、あとはひたすらデスカッションなのだ。ランチを食べながらのカジュアルな会なせいか、書かれている内容に限らず、自分の意見を述べている。例えば黒猫が前を横切ると縁起が悪いと言われているけどなぜだろう、というと、目の前を黒い物体が横切れば避けようとした方が適応的だからだ、といった具合に。
D論の討論会スタイルにしても、こちらの人々は討論好きだなあと思う。

黒猫が前を横切ると縁起が悪いという迷信が、日本とスウェーデンで同じなのが興味深かったけど、ルーツはヨーロッパにあるらしい。ヨーロッパ共通なのかと思いきや、寮の人が、アイルランドスコットランドでは黒猫が前を横切ると縁起が良いと言われていることを教えてくれた。うーん、不思議だ。