3500xLジェネティックアナライザ

職場には共用で使う精密機械が沢山ある。地震で使用中に停電した機械も多い。ライフラインが大体復旧した今週は、機器がおかしくなっていないかチェックに取り掛かる。今日は業者がトラブルのあったキャピラリーシーケンサーの点検に来てくれた。トラブルがあったのは導入したばかりのApplied Biosystems 3500xL ジェネティックアナライザ

これは従来あるABIのキャピラリーシーケンサーの最新モデルだ。使いやすさ、トラブルを減らす品質管理システムを謳い文句にしている。消耗品はすべてICタグがつけられており、商品番号・製品ロット・使用期限・装置上の使用状況等の情報がソフトウェア上で管理される。
この機種が発売されて1年以上たっているものの、まだ情報が少ないかもしれないので私の感じた短所・長所を書いておこう。


短所
・新しいICタグシステムのため、消耗品は従来機種のものとシェアが出来ず、従来のものよりかなり割高。
・消耗品には消費期限がつけられ、期限が切れると機械が受け付けない(従来機種で得た経験からいうとこの消費期限はかなり保守的に設定されている)。
・注文するときロットの指定が出来ないので、必ずしも最長の消費期限をもつ製品が来ない(2月にポリマーを注文したときは、消費期限が5月と8月のものがきた)。
・消費期限とは別に、装置にセットしてからの使用期限も決まっている。
・ソフトがVistaと相性が悪くバグが多い。Windows7への対応はできていない。バグについては世界的に問題になっているそうだ。ABIのソフトの問題なのか、Windows Vistaの問題なのか・・・


長所
・(機能には関係ないけど)機械の前面にApplied Biosystems と HITACHI のロゴがある。従来機種も日立 の技術が使われているけれど、日立のロゴが目立つところには無かった。日本企業の活躍が明示されているのは嬉しい。
・ラン時間を短縮できる。というのも、ランモジュールが増えサンプルに応じてラン時間を選べるため(従来機種も自分でモジュールを編集することはできたが、初心者には敷居が高かったと思う)。さらにプレヒート機能が追加され、ラン前に機械を60度に温めておくことができる(従来機種はランスタート後に温めていたため、温まるまでに時間がかかった)。
・キャピラリーの交換が簡単。