解凍試薬

昨年度末にロシュの次世代シーケンサーのパーソナルモデルGS Juniorが納入された。それに合わせて高価な専用キットを買いそろえた。しかし地震による停電でフリーザーが止まり、冷凍保存の試薬が全て解凍されてしまった。電源復帰後、再び凍結されたものの、再凍結はしないよう推奨されている試薬類だ。これらの試薬類が使えるのか、次世代シークエンサーの研修で試しに使われた。
結論からいうとやはり理想のスループットは得られなさそう。
理想では約10万個のリード数が得られるところ3千個しか得られなかった。これら3千個のシークエンスはうまくいっているので、ポリメラーゼ類のダメージは少いようだ。おそらくエマルジョンPCRのときに使うビーズがおかしくなったのだろう。ビーズにはアダプターとなるキー配列がくっついているのだが、その構造が崩れたのだろうか。(*ただし、後日の実験でそれなりに使えるビーズは残っているらしいことは判明)
災害復旧費要求書を出したけれど、他に優先度の高い復旧は数多くある(大学の損害は60億と見積もられている)。試薬類への復旧費はまず期待できないだろう。まあ、でも買い替えのきかない物がダメになったわけではないので気を取り直して。