2009-01-01から1年間の記事一覧

スウェーデンの山

スウェーデンに来て初めて本格的にトレッキングした。私の以前の調査場所はチベット高原だったが、初めてチベット高原を訪れた時は見知らぬ場所に来たという興奮を感じた。スウェーデンの山は、興奮というより近しい場所に来たという安らぎを感じた。チベッ…

D論冊子

こちらでは完成したD論はペーパーバックの小冊子にされる。小冊子が完成すると、nailingが行われる。その名の通りボードに完成したD論を釘打ちする儀式だ。Nailingの日時は領域メーリングリストで案内がまわり、ボードのある領域のコーヒールームに皆が集ま…

土地の隆起

私の住む町ウメオは毎年土地が隆起しているそうだ。というのも氷期時代の氷河の融解によって土地にかかる重力が減っているためだ。その現象が地球上で最も顕著に現れているスウェーデンのヘーガ・クステンとフィンランドのクヴァルケン群島は世界遺産にもな…

Midsummer festival

今日はmidsummer festival。夏至近く(21-25のうち)の金曜とされている。 やってくる夏と今期の豊穣を歓迎するお祝いだ。人々は草の王冠をかぶり、緑で飾った支柱のまわりでダンスをする。 Midsummerの夜は1年で最も明るく、将来のことを話し合うベストタイ…

40周年記念

今日は学部の40周年記念行事。その一環でUmevatorietという研究所兼博物館みたいな施設に行った。ウメオ大学と地方自治体が協力して運用しており、学校や社会への研究活動の普及を担っている。数学と天文学が取組まれているテーマの一つで、数学の問題が出さ…

ジャーナルクラブ

こちらの領域では毎週金曜にジャーナルの輪読会がある。前回の紹介論文は The evolution of superstitious and superstition-like behaviour, Proc. R. Soc. B, 276: 31-37, 2009 人の世界には迷信に基づいた行動があるが、そんな行動が進化しうるのかモデル…

登山

スウェーデンとノルウェーの国境近くまで山登りに行った。しかし早すぎた。山にはまだ多くの雪が残っており、寒くて登山を楽しむどころではなかった。でも、もうミネズオウやウラシマツツジが咲き誇り、マルハナバチが飛び回っていた。日本でなじみのある植…

今日は少し遠出をして海を見に行った。ウメオの港からフィンランド行きの船が出ているのでいつか乗ってみたい。こちらの車はエンジンをかけると自動でライトがつく。だから真昼間でもみんなライトをつけて走っている。日照時間の短い冬に対応したシステムな…

学位授与式

学位授与式を見に行った。男性は黒のスーツに白の蝶ネクタイというお決まりのスタイルだけど、女性は華やなドレスだ。そして一人一人黒い帽子が授与される。伝統的行事だそうだ。こちらのドクター生はお給料をもらいながら研究するそうで、ドクターの間に子…

映画

日本でも上映されているが、「天使と悪魔」という映画を見に行った。誘われるまま着いて行ってしまったけど無謀だった。映画は英語、字幕はスウェーデン語。想像力でストーリを補完しようと努めたが、90%分からなかった。スウェーデンでは、研究者じゃなくと…

マルハナバチ

マルハナバチの女王が巣探しする姿を見かける季節となり、マルハナバチの本を衝動買いしてしまった(Humlorとはスウエェーデン語でマルハナバチという意味)。衝動買いといっても、本屋で見かけて家に戻りネットで注文したのだけど。なぜだか、スウェーデン…

つくし

こちらはまだ早朝に霜がおりることもあるけれど、日に日に木々の芽がふくらんでいる。 ちょうどツクシの季節で、いたる所に生えている。早速つんで食べた。その話をしたら周囲の人が、そんなもの食べられるのかと驚いていた。 スウェーデンに食べる習慣は無…

PhD取得パーティー

こちらでは、PhDを取るとコーヒールームでパーティーをする。各生徒ごとやるので、審査会シーズンはしょっちゅうパーティーをしている。こちらの飲み会はどんなものだろうと参加してみた。そしたら日本でいう飲み会とは雲泥の差で、ホントにパーティーだった…

日光浴

こちらは今、毎日6分30秒日照時間が延びている。10日で1時間変わるので、日に日に日の出が早くなり、日の入りが遅くなるのが分かる。6月末には日照時間は20時間になる。その代わり冬の日照時間は4時間もなくどんよりした天気が続くそうだ。 太陽の恵みを全身…

学位論文討論会

こちらでは学位論文の公開発表会はdisputationと呼ばれている。まさに討論会ということで、opponent(対抗者、敵、競争相手・・・適切な日本語訳は分かりません)と呼ばれる研究者が一人設定される。そして学生は自分の学位論文をdefendする。学生の発表(要点…

イースター

今日から復活祭(イースター)で4連休。研究室に来ると、机の上にボスからイースターのプレゼントが置かれていた。かなり感動してしまった。 イースターには鶏卵を飾り付ける伝統があるそうだ。カラフルな鶏卵のイミテーションの中にはお菓子が詰まっている。

スパイクタイヤ

日本でスパイクタイヤの使用は禁止されているけれど、スウェーデン(ウメオ)ではほとんどの車が使っている。雪解け時期の今頃は、道路脇の雪が粉塵でとても汚い。 日本では、粉塵が健康に悪影響を及ぼすことが示されて使用禁止になったので、嫌だなあと思っ…

D論発表会

本日のカルチャーショック。D論の公開発表会に参加したけど、本人の研究の発表時間は20分程度で1時間40分もの間、討論と質問が続いた。発表会の時間は少なくとも2時間、長ければ3時間とか。うーん、やはりこちらでは研究成果を出すことと共にいかに自分の意…

赤ちゃん

本日のカルチャーショックは、セミナーに赤ちゃんを連れて参加している女性がいたこと。学生なのか職員なのか不明だけど赤ちゃん連れてセミナーに参加できるなんてすごい。途中赤ちゃんがぐずりだしたらお乳をあげていた。こういう光景をみると子育てに相当…

異動

3月いっぱいで今の職場を退職し、スウェーデンのウメオ大学のポスドクになりました。 1965年に設立されたそうだけど、建物や設備はとても奇麗だし、セキュリティーも整っている。リフレッシュスペースも充実していて大学共通の広いお茶部屋がある。そこには…

畏れ慄いて アメリー ノートン (著), 藤田 真利子 (翻訳) 外国人が日本をどうとらえているか知りたくて読んでみた本。 1967年に神戸で生まれたベルギー人女性、アメリー・ノ−トンの自伝的小説。彼女が22歳で入社した商事会社で受けた迫害がもとになっている…

仕事は5年でやめなさい 松田公太 サンマーク出版この題名は自分にとってかなりタイムリーだった。というのもちまたでは、ポスドク(非常勤職員)は5年で雇い止め(つまり5年以降更新はしない)という制度が急速に広がっているからだ。1月23日に京都大学の例…

偶然のチカラ 植島 啓司 (著) 、集英社新書自分がたまたま選択した判断が良かったのか悪かったのかは確かめようがない。他の選択肢を取った場合どうなったかなんて知りようが無いのだから。偶然の出来事だと思っても、「自分の身に起こったことはすべて必然…

記念講演

うちにはテレビが無い。遅ればせながらノーベル賞受賞者の記念講演をノーベル財団のホームページで拝聴した。噂には聞いていたけど、益川教授が日本語で講演したことに驚いた。体裁をつくろうことせず、日本語の原稿を読む姿がとても新鮮だった。この益川教…

人体常在菌のはなし―美人は菌でつくられる 青木 皐 (著) 、集英社新書お正月に実家で、妹が「もやしもん」という漫画を読みふけっていた。菌を見る能力をもつ主人公が「某農業大学」でくりなす学園ドラマである。一般人には見えないので気にとめないことが多…